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最低賃金が変わります!

2022年10月1日以降、地域別最低賃金(以下、最低賃金)が改定されます。

当事務所では、お客様各社の従業員の給料を時給換算して(最低賃金は時給で決められています)ご連絡しています。
最低賃金を割ってしまう社員がいる場合には、時給アップをお願いしていますが、
先日ご連絡をしたところ「エッ!また上がるんですか?」と言われてしまいました。

数年前からのコロナ感染症による売り上げ減少により、最低賃金ギリギリの給与を設定している会社さんもあります。
厳しい経営環境の中で、様々な経営努力をして雇用を維持しています。
その中で、31円(東京都)の時給アップは「厳しい」というのが本音でしょう。

都道府県により、実施日と引上げ額はマチマチですが、おおむね3%ほどの引上げとなります。
東京都は2021年の1,041円から31円アップの1,072円に。
岩手県は821円から33円アップの854円と4%ほどの引上げとなっています。
都道府県ごとの最低賃金額の一覧表はこちらからご確認ください。

なお、最低賃金に含めることができる給与、含めることができない給与などは、こちらでご確認ください。

ここからは東京都を想定して話を進めます。

昨年、最低賃金額で働いていたフルタイム社員(1ヶ月173時間働くと想定)がいたとして、今年、最低賃金をクリアするためには1ヶ月約5,400円賃金をアップする必要があります。
月給にすると約180,100円➡185,500円となります。
年間約65,000円の人件費増加の受け止め方は業種や企業により大きく変わるでしょう。

ただ、間違いないのは、これから求人をしようとする会社の場合、最低賃金額ではなかなか応募者がこないという現実です。
特に、コロナ感染症による行動制限がなくなった現在では、人手不足感が増しており、
飲食業、建設業など、もともと採用が厳しかった業種で更に厳しくなっていくことが見込まれます。

会社側としては、未経験者であれば、最低賃金額で雇いたいと思うのが人情ですが、
そこにこだわっているとなかなか採用できず、在職中の従業員の業務がひっ迫して長時間労働になったり、営業チャンスを逃して売上を伸ばすことができなくなったり、という影響が出る可能性があります。
思い切って時給アップして、早く採用し、効率良い働き方を実現して利益を伸ばすなど、発想の転換が必要かもしれません。

働く側からすると、
最低賃金は生活保護を下回らない水準になるよう配慮して決定されています。が、もし、東京で一人暮らしだと最低賃金の月給(年収約2,230千円)ではギリギリの生活になります。仕事だけの毎日で趣味を楽しむ金銭的余裕がなければ働き甲斐もありません。そうなると少しでも給料の高い会社を選ぶようになりますね。

社員の方が自分の給料が最低賃金を満たしているか確認したい場合は、こちらの最低賃金比較チェックからどうぞ。

街を歩いていると、商店街のお店などで、「パートさん募集」の貼り紙をしていることがあります。
中には、時給1,000円(現在東京都は1,041円)と堂々と書いてあったりして「最賃割れしてるよ」と心の中で思っています。
どんなに少人数のお店(個人商店)であっても、最低賃金は守る必要があります。

最低賃金についての知識がなかった、という理由はあるかもしれませんが、それはそれ。差額は未払賃金となってしまいます。
最低賃金額を支払わない場合には、50万円以下の罰金という罰則がありますので、ご注意ください。

※一般の労働者より著しく労働能力が低いなど特定の労働者については「最低賃金の減額の特例」という制度がありますが、適用するためには都道府県労働局長の許可を受ける必要があります。

最近は食品、洗剤、トイレットペーパーなど生活必需品の値上げを身に染みて感じています。ランチタイムのいつものお店のいつも注文していたメニューも、値段は同じでもから揚げが1個減っていたり…いわゆるステルス値上げというもの。事情はわかるので協力しますが、オプションでから揚げ1個から注文できるとかにしてほしいです。

では、また次のブログで!