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二代目には他人の飯を食わせろ

こんにちは。中小企業のバックオフィス業務をサポートする社会保険労務士の渡辺です。

今回の題名、乱暴ですみません。

弊所のお客様では数社、事業承継を控えている会社さんがあります。

すでに後継者が決まって現社長から引継ぎの真っ最中だったり、まだ後継者が若く、現社長のもとで社員として、また後継者としての勉強中だったり。

現社長との関係はお子さんの場合もあれば縁戚関係の方などです。

先日、ある会社さんを初めて訪問したときに、題名のようなことを考えたんです(事実を少しカムフラージュして書いています)。

創業60年以上の下町の製造業で、ご家族と社員十数名の会社さんです。

現社長さんは、先代から事業承継された方で、そのお子さん(Aさんとします)が将来は後を継がれる予定です。

先代、現社長とも、いわゆる法令に沿った労務管理というものはまったくされておらず、長い間に蓄積されたその会社の慣習で社員を管理されていました。

今回、当方は、“将来問題になるかもしれない心配事があるので相談したい”ということで訪問させていただきました。

※以前書いたこちらの記事をお読みいただくと、どんな会社さんかイメージがつかみやすいかもしれません。

社員との信頼関係はどこまでも続くのか

将来の後継者Aさんも交えて社員の雇用管理について話を伺ったのですが、そのAさんは大学を卒業してすぐに今の会社に入社したそうで、全く他の会社を知らないとのことでした。

それを聞いて、心の中で“それはまずいな”と思いました。

先に書いたように、こちらの会社さんは適正な労務管理を全くしていません。そして現社長は社員との信頼関係があるから今のままでも大丈夫、と思い込んでいる方です。

そんな環境で他の会社(適正な労務管理をしている)を知らなければ、“ウチの会社のやり方が正しい”と思い込んでしまいます。

その後継者のところへ、中途採用の社員が入社したときのことを想像すると、“それって労基法と違うんじゃないですか?”とか、“ほかの会社は普通こうやってますよ”など、トラブルに発展まではないにしても、様々な不都合が生じるのではないかと心配になります。

そこで、「二代目には他人の飯を食わせろ」なんです。

できれば、一度は他人が経営している会社に就職して労務面だけでなく、様々なことを経験した方がいいと思うのです。それが難しければ、経営者が多く所属している団体に入って、他の経営者の話を聞く機会を作るとか。

二代目(後継者)となる方には、同業者だけではなく、様々な業種、企業規模の経営者や社員の話を聞く機会を持ち、経営と、社員の雇用についての視野を広げていただきたいな、と思います。

では、また次のブログで!