社員とのトラブルを防ぐ採用時の就業規則周知
新年度も間近にせまり、新入社員を迎える準備で忙しい会社さんも多いと思います。
社員を採用した際の手続きはいろいろなものがありますが、中でも労働条件通知書の交付と就業規則など、会社の諸規則の周知は今後のトラブル防止のために重要なものになります。
皆さんの会社では、労働条件通知書の内容説明や就業規則等の周知をどのように行っているでしょうか。
就業規則一式を印刷して渡すとか、イントラネット上(又は部署の書棚等)に保管していることを伝えて自主的に読んでくれるように伝える、などが多いかと思います。
これでも確かに周知したことにはなりますが、これでは社員が内容をきちんと理解できていない心配があります。正直な話し、就業規則など読書と違って読んでいて楽しいものではありませんので、社員が興味のある部分だけ拾い読みとか、ザーッと簡単に目を通すだけ、になってしまう可能性があります。また、意味が分からないところが沢山あったけど、そのままにしてしまう、ということもあります。
このような周知の方法で、いざ、社員がルール違反をしたら、「就業規則にちゃんと書いてあるだろう、そんなことしたら懲戒処分になるよ」と言っても、社員としては納得できない気持ちになりかねません。
入社後の労務トラブルを防ぐ第一歩としては、社員が自主的に就業規則を読み、理解するのを期待するのではなく、社長や人事担当者が一緒に読み合わせを行い、特に守ってほしいルールの説明、ルールを守れなかったときの罰則などを丁寧に説明することが大切です。
ここまで行ったうえであれば、ルール違反があったときに「入社時にちゃんと読み合わせしたよね」と本人も納得するでしょう。
また、採用時には社員から「入社誓約書(名称は様々)」を提出してもらうと思いますが、就業規則の説明を受けた旨を記載しておくと良いと思います。
就業規則の読み合わせは社長や人事担当者にとって時間的に負担になるかもしれませんが、トラブルが発生した場合のことを考えれば、このくらいの時間は何でもないことです。ぜひ実行してみてください。