中小企業 労務管理の実態
先日、幼なじみと食事をしました。
彼女は、小さいながらも創業100年以上という会社でパートタイマーとして働いています。
いつも会うと会社でのできごとなどを話してくれるのですが、先日は労働条件の話になり、私も仕事がら興味があることなので根ほり葉ほり聞いてしまいました。
彼女のパート先での勤務状況は次のようなものです(青字は労基法などの規定です)。
・労働契約書がない➡労働条件通知書の交付は必須
・1日の仕事量が少ないと早上がりさせられる➡実働の賃金が休業手当(平均賃金×60%)より少ない場合は差額の休業手当を支給する必要がある
・労働時間は15分単位で計算される。15分に満たない時間は切り捨てされる➡労働時間は1分単位で集計
・9:00始業だけど先輩社員が9時前から仕事を開始しているので、自分も出社したらすぐに仕事をせざるを得ない➡会社の指示により働いている場合は労働時間となる
・8:45前に出勤してもタイムカードを押せない(15分単位で時給が発生するため)➡労働を開始した時間から時給が発生する
・終業は17:00だけど、17時まで機械を動かし、そこから片付けをする。時給は17時までしかつかない➡片付けが終了した時間が労働の終了となるので、その時間まで時給が発生する
・年末の大掃除はボランティア出勤➡時給が発生する
・先輩社員からのいじめ➡程度によるがパワハラに該当する場合も
細かい労基法違反がたくさんありますね。特に未払賃金となるものが多いようです。細かい時間でもチリも積もれば膨大な未払賃金になりますので要注意です。
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彼女は、その会社の取扱い業務が好きだったので就職したそうです。
でも、仕事は楽しい、より、つらいことが多いようで、入社当初は先輩からの言葉によるいじめで相当悩んでいました。
最近では彼女も入社から数年たち、仕事にも慣れたようですが、同僚との会話では“こんな会社早く辞めたいよね(家計のこともあるから簡単にはやめられないけど)”という言葉が飛び交うそうです。こういう会話がストレス発散になっているのかもしれませんが、ちょっと寂しいです。自分の会社員時代を思い起こせば、そういうこともありましたが…。
おそらく、この会社の経営者は「労働法のことを詳しく知らない」のだと思いたいです。
このように労働法のことをきちんと理解せず、昔ながらの慣習、会社に都合の良い労務管理をしている中小企業は山ほどあると思います。
個人的には、経営者は初めて社員を採用するときは労基署とか社労士会が開催する労務管理の勉強会に出席することを義務付ける、などしないとなかなか浸透していかないのではないか、と考えています。
