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定年年齢も多様な時代です

あるお客様の社員が定年を迎えたので社会保険の同日得喪の手続きをしました。

就業規則の定年の条文の抜粋や、再雇用後の労働契約書を添付書類として提出し、手続き終わった、と思っていたら、後日年金事務所担当者から「この方の年齢からして定年退職ではないので同日得喪の手続きはできません」との連絡が…。

“いやいや、定年じゃないって、そんなはずないでしょ”って頭の中でいろいろ考えて、あっ、と思いつきました。

「あの~、もしかして先入観で定年退職の年齢は60歳とか65歳とかって思いこんでませんか? この会社さんの定年年齢は“66歳”なんですが」というと、

「えっ!」

「就業規則を添付していますので、再確認していただけますでしょうか」

「あ~、確かに、66歳と書いてあります。これは失礼しました。同日得喪で大丈夫です!」

こんな風に思い込みで行動してしまうって、時々ありますよね。今回の場合、定年の年齢はまだまだ60歳~65歳までが多いのが現状なので、年金事務所の方がこの人は66歳だから定年退職じゃない、と考えてしまうのは仕方ないかな、と思いました。

ですが、人手不足の中小企業では、元気なうちは長く働いてほしい、ということで、定年年齢を上げる事例も増えています。

また、2021年4月1日からは高年齢者雇用安定法が改正されて70歳までの就業を確保すること努力義務となります。ますます定年年齢は多様化していくでしょう。

定年・再雇用時の同日得喪の手続きによるメリット

☑再雇用で給料が下がった場合、再雇用された月から新たな給料に見合った報酬月額を適用できる。

※通常は給料が下がった場合、報酬月額の等級が下がるのは4ヶ月目からとなります(月額変更の要件に該当した場合)。

☑定年前は在職老齢年金の仕組みで老齢厚生年金が支給停止になっていた場合、再雇用後の給料を年金が支給停止にならない金額で設計することが多い。この場合、同日得喪の手続きにより、早く支給停止が解除されることになる。

これからの再雇用者の給料設計は大きく変わる

これまでは、再雇用後は給料が大幅に下がるのが当然、という考えが一般的でした。が、同一労働同一賃金の考えや、10月28日には名古屋地裁で仕事の内容が定年前と変わらないのに、再雇用後の賃金が6割を下回るのは不合理な待遇格差である、とした判決が出ています。今後は、その社員の仕事の実態と手当の趣旨に合わせた給料の設計が必要になるでしょう。

 

※日本年金機構 退職後継続再雇用された方の標準報酬月額の決定方法の見直し

※厚生労働省 70歳までの就業確保に関するパンフレット