麹町駅から徒歩1分、半蔵門駅から徒歩5分
  1. TOP
  2. Blog
  3. 中小企業の事業承継…社員承継について

中小企業の事業承継…社員承継について

 中小企業の事業承継、頭を悩ませている経営者の方も多いのではないでしょうか。後継者がいれば良いのですが、いない場合は事業譲渡(M&A)、又は廃業など厳しい選択を迫られることもあります。

 事業承継で注目されるのは「お金」に関わることです。会社の財産(資産・負債)をどう引き継ぐか、株価をどう引き下げるか、相続税をいかに低く抑えるか、などは大変重要なことです。事業承継セミナーなども盛んに開かれていますが、取り上げられる内容は大体、これらについてです。

が、事業承継で忘れてはならないもののひとつに「社員の承継」があります。社員も大切な会社の財産の一つです。承継後に新経営者が社員の支えを得られるかどうかはスムーズな承継のために大変重要です。 ですが、事業承継の準備期間が短いなどの理由で社員の承継が置き去りにされてしまうことがあります。そのような場合、承継後に社員が新経営者にまったくついてきてくれない、という事態を招いてしまうことがあります。

  一例として、現経営者の時代には雇用管理制度(就業規則、評価制度など)などがなく、長年の慣習(社員が自分達の都合のいいように作ってきたマイルール)イコール会社の雇用ルールとなっている場合、後継者にバトンタッチしたとたんに新たに法令に基づいた雇用管理制度を導入しようとすると社員から大きな反発を受けることがあります。最悪の場合には、現場を良く知っている古参の社員が退職してしまうことも…。

 新経営者にしてみれば、法令遵守も必要だし、きちんとした雇用管理制度を導入するのは社員のためにも良いこと、という当たり前の考えなのですが、社員の受け取り方は「これまで自分達が長い時間を積み重ねて築いてきたマイルールを守らなければ!」ということになり、ここで新経営者VS古参社員という争いが起きてしまった、という話は数多くあります。

 このような事態は、当事者だけでなく、取引先にも伝わり、会社経営に悪影響をもたらす場合もあります。 円滑な社員承継のためには、事業承継の数年前から現経営者と後継者が社員も巻き込んで話し合いを進め、納得のいく雇用管理制度を作っていくことが大切ではないかと思います。

  事業承継には最低でも5年かかると言われています。分かってはいるけどなかなか動きだせない、という経営者の方が多いと思いますが、時間はどんどん過ぎていきます。また、突発的な事業承継なども発生し得ます。後継者、そして社員のことを考えて早めに行動されることをおすすめします。

 Anna人事労務サポートでは、事業承継時の社員承継に関するご相談をお受けしております。