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社員の問題行動…発達障害の可能性

 何度注意しても遅刻や無断欠勤が多い。仕事で同じミスをする。仕事中に仕事と関係のない話を延々とする。 このような社員がいた場合、だらしない人、不注意で自覚が無い人などと上司は判断し、『問題行動の多い社員』というくくりをすることが多いと思います。

ですが、これらの原因が発達障害にある可能性もあります。 ここ数年で頻繁に聞くようになった“大人の発達障害”という言葉。でもその実態を理解している経営者はまだまだ少ないと思います(私もそのうちの一人です)。 でも、症状を知れば知るほど、“もしかするとあの人の行動は発達障害の人のそれだったのかもしれない”と過去の出来事を思い返して納得することがあります。

  発達障害は脳の一部に障害があるために発症する、と言われており、その症状はコミュニケーションや行動に偏りがあったり、又は自分の興味があることにはとても集中でき、時に素晴らしい能力を発揮することもあると言われています。 発達障害、と明確に診断されている方もいれば、自分で悩んでいる段階又は医師の診察を受けたけど診断はされなかった“グレーゾーン”という方もいらっしゃるようです。

 明確な診断を受けていても、グレーゾーンでも、そのことを会社に打ち明けて働いている方はまだ少数で、打ち明けたいけれど、その後、会社からどんな扱いを受けるのかが不安で隠して働いている、という方が多いようです。

 もし、最初に挙げたような問題行動が発達障害が原因だった場合、そしてそれを会社が知っていた場合は、その人の症状がどういうもので、何が苦手なのかを知り、その苦手なところは担当からはずすとか他の社員がフォローするとか、対応策を打つことができます。ですが、本人が発達障害やグレーゾーンであることを隠している場合は、単に問題社員として会社が注意を繰り返し(場合によっては懲戒処分なども行い)、社員は分かってはいるけれど同じ行動を繰り返す…の悪循環で両者が疲弊していってしまいます。

 できれば、入社時に障害のことが分かっていれば、それを伝えてもらったうえで入社するのが両者にとって一番良い形です。実際に発達障害の社員を何人も雇用していて、それぞれの得意分野を見極めてそれぞれに活躍してもらっている、という会社もあります。 ですが、そのような会社はごく少数で、後から障害がわかってトラブルになるという場合もあります。

もし、問題行動が多い社員がいたら、その原因の一つとして発達障害も検討してみてはいかがでしょうか。個人的なとても繊細な問題ですので、本人への確認も慎重さが必要ですが、会社が障害について理解を示すことで両者にとって良い対応ができるかもしれません。

  会社側の発達障害(その他の障害も)に対する理解がもっとすすみ、社員側が打ち明けやすくなって会社と社員のミスマッチが少しでも少なくなれば、と思います。